HSPって正社員で働くのに向いてないのかな
長く続けられる仕事がなかなか見つからない……
自分らしくゆるく働くにはどんな方法があるんだろう
結論から言うと、HSPが正社員として快適に働くことは可能です。
一方で、正社員以外のほうがより快適と感じるのも事実です。
この記事では内向型HSPを持つ筆者が、HSPの働き方について解説していきます。
目次
HSPが正社員に向いてないと感じる理由
HSPが正社員で働くことに向いてないと感じる理由は以下のようなものがあげられます。
- フルタイム勤務がきつい
- 責任やプレッシャーがきつい
それぞれ解説していきます。
フルタイム勤務がきつい
繊細で敏感な気質のHSPはフルタイム勤務がきついと感じやすいです。
HSPは無意識に多くの刺激を受け取ってしまうため、非HSPよりも疲れを感じやすいからです。
具体的には以下のような刺激を常時受け取ってしまいます。
- 人の空気感
- 匂い
- 音 など
特に人から受ける刺激に対して過剰な反応をしてしまうことが多いです。
必要以上の気遣いや人の目を気にした言動を常に考えてしまうことで、知らず知らずのうちに疲れが溜まっていきます。
責任やプレッシャーがきつい
HSPは自分自身を追い詰めてしまうことがあります。
HSPの以下の特性が過剰なプレッシャーを生んでしまうからです。
- 責任感が強い
- 完璧主義
仕事において責任感が強く、完璧主義であることは決して悪いことではありません。
しかし、それを追い求めすぎてしまうと心が疲弊してしまいますよね。
「絶対に失敗してはいけない」
「ひとつのミスも無く仕上げなければ」
「周りが困らないようにフォローしなければ」
あなたもこのように考えて仕事をしていませんか?
これでは退勤後も仕事の考えてしまい、気持ちが休まらなくなってしまいますね。
HSPは正社員に向いてない?
結論から言うと、職種・職場環境次第です。
どんなに短い勤務時間でもHSPの苦手が詰まっていれば苦労はしますし、拘束時間が長くてものびのびと働ける仕事はあります。
「正社員」という大きなくくりで考えず、HSPのあなたにとってどんな環境が働きやすいのかを考えるべきです。
HSPに向いてる仕事の特徴
HSPが働きやすいと感じる仕事って、どんな特徴があるのかな?
【注意】HSPに向いていない仕事とは【心が壊れる前に知っておくこと】
向いている仕事の特徴 理由 自己完結型の仕事 他者とのコミュニケーションを必要としない ルーティーンが多い仕事 考えすぎる特性を抑えられる ノマドワーク 集中しやすい環境を選べる フリーランス(個人事業主) ストレスを避けた仕事を選べる IT、Web関連 他者とのコミュニケーションが少ない 精密さを求められる仕事 問題点の発見能力が有効に作用 自分のペースで進められる仕事 心の余裕を確保できる
非正規雇用もあり
HSPにとって正社員での仕事が、全て向いていないわけではありません。
しかし、パートやアルバイトなどの非正規雇用のほうが働きやすいと感じるのも事実です。
働き方の多様化が進む現代ですから、正社員雇用にこだわりすぎず自分らしく働ける環境を選ぶのも良いでしょう。
HSPが快適に働く方法9選
今現在ストレスを感じながら働いてる環境でも、少しの工夫で改善できる可能性があります。
HSPが快適に働けるようになる9つの方法を紹介していきます。
- ひとつづつ片付ける
- 自分の近くに植物を置く
- 人の仕事はやらない
- 環境整備をお願いする
- 人に頼る
- 失敗しても責めない
- 自己肯定感を上げる
- 副業を始める
- 通勤を快適にする
それぞれ解説していきます。
ひとつづつ片付ける
HSPはマルチタスクが苦手なので、仕事はひとつづつ終わらせていきましょう。
でも、複数の仕事を同時に頼まれることもあるよね
このような場合には、期日を事前に確認し優先順位をつけてこなしましょう。
時間や作業過程で区切りをつけて、交互にこなしていくのも効果的です。
「今はこの作業をする時間」と区切りを持つことで、集中した効率の良い仕事ができます。
自分の近くに植物を置く
HSPの高い感受性は、植物からの癒やし効果を多分に受け取ることができます。
緑という色自体にも癒やし効果が期待でき、カウンセリングルームなどでも多く取り入れられています。
実際に、植物や自然に癒やされるというHSPは多いです。
人の仕事はやらない
HSPは本来の自分の仕事以外の業務を抱えてしまいがちです。
理由は以下の通り。
- 断るのが苦手
- 困っている人を放っておけない
人から仕事を頼まれたときは「本当に自分がやるべきなのか」を一度考えましょう。
面倒だから人に投げてしまおうとしているだけかもしれません。
本当に困っている場合でも、そもそも本人の不手際でこのような状況を生んでいるかもしれません。
なんでも安請け合いしてしまうと「都合の良い便利な人」になってしまい、面倒な仕事がどんどん降りかかってきます。
環境整備をお願いする
自分自身で解決が難しい問題は、改善をお願いしてみましょう。
例えば音や光、匂いに刺激を受けている場合は環境自体に問題があるので、自分の力では解決できないですよね。
席を変えてもらったり、違う芳香剤に変えてもらうくらいであれば、対応してもらえる可能性は高いです。
でも、自分のためだけに変えてもらうのはちょっと言いづらい……
確かに少し気の引けることではありますが、結果的に業務効率が上がるのであれば双方にメリットがあります。
割り切って相談してみましょう。
人に頼る
自分が苦しいときは人の力を借りましょう。
仕事には、時間をかけて考えても解決しない問題というのもあります。
あなたにとっては難しい問題でも、人によっては簡単に答えを出せることもあります。
なにより、一緒に考えてくれる仲間がいるというだけでも、心が少し軽くなります。
失敗しても責めない
完璧主義なHSPは、ひとつの失敗でひどく落ち込んでしまうことがあります。
「失敗は誰にでもあることだから」と優しい言葉をかけられても、簡単には立ち直れないのがHSPですよね。
ですので、少し考え方を変えてみてください。
どんな仕事でも、失敗の原因全てがあなたにあるわけでありません。
あなたが失敗してしまった原因は「あなたの力量を見誤った上司の責任」でもあります。
ときには適度に責任転嫁してしまうことも、心の健康のためには必要なことです。
自己肯定感を上げる
自己肯定感が上がると自分に自信が持てるようになり、以下のようなメリットが受け取れます。
- 人に頼み事をしやすくなる
- 失敗を引きづらなくなる
- NOが言えるようになる
自己肯定感を上げたほうがいいのは分かってるんだけど、なかなか難しくて……
そもそも自己肯定感が低いと言われているHSPですから、簡単ではないですよね。
具体的に自己肯定感を上げる方法としては、資格の取得がおすすめです。
HSPにおすすめの資格は以下の記事にまとめてあります。
副業を始める
自分ひとりの力で稼ぎを生み出せるというのは、大変な自信になります。
本業以外での稼ぎがあれば今の会社にしがみつく必要が薄れるので、心に余裕が生まれてきます。
「本当に嫌になったら辞めてしまえばいい」
「副業収入があるから、正社員じゃなくても食べていける」
このような余裕が持てれば、とても楽な気持ちで働いていけますよね?
副業が軌道に乗ってくれば、それを本業にして独立することだって可能です。
HSPにおすすめの副業は以下の記事にまとめています。
通勤を快適にする
人混みが苦手なHSPですので、朝の通勤ラッシュを苦痛に感じる人は多いです。
仕事が始まる前から疲れてしまっては、これから始まる一日が思いやられてしまいます。
通勤を快適にするために、以下のような方法を取り入れてみましょう。
- 早起きして通勤時間をズラす
- イヤホン、マスクなどで五感を閉じる
- フレックス制度を利用する
- 自然の多い道を選ぶ
HSPが正社員を辞めるメリットデメリット
働き方の多様化が進む現代において、必ずしも正社員雇用にこだわる必要はありません。
ここでは正社員を辞めるメリットとデメリット、それぞれ2つづつ解説していきます。
【メリット①】時間が作れる
正社員雇用以外での働き方では、時間に融通のきくものや、拘束時間の短いものが多いです。
ですので疲れも溜まりづらく、体調管理もしやすくなるでしょう。
自分の時間も多く持てるようになるので、適度にストレス開放もしていけます。
【メリット②】ゆるく働ける
非正規雇用では重い責任のある仕事は与えられません。
そのため、仕事にプレッシャーを感じなくなるので、ゆるく働くことができます。
プレッシャーが少なくのびのびと働ける環境は、HSPの真のポテンシャルを発揮できるでしょう。
【デメリット①】収入が安定しない
月給制が多く取り入れられている正社員雇用に対し、非正規雇用の多くは日給や時給で賃金が決められています。
勤務日数や時間なども基本的に正社員が優先されるため、経営不振などの事情で希望通りの稼ぎが得られなくなることもあるでしょう。
また、昇給に関しても同様に正社員が優先されていくので、長く働いて成果を出したとしても多くの期待はできません。
【デメリット②】孤独感を感じやすい
正社員を辞めると、以下の理由から孤独感を感じやすくなります。
- 社会との関わりが減る
- 劣等感を感じてしまう
同世代の集まりなどで、仕事の話になることもあるでしょう。
話についていけず、劣等感を感じるようになってしまい、だんだんと集まり自体に参加しなくなってしまう。
こうしてさらに社会との関わりが減ってしまう悪循環になってしまいます。
自分と同じような働き方をしているコミュニティを探してみるなどして、仲間を見つけると良いでしょう。
HSPが長く続く仕事を見つけるためのコツ4つ
HSPは仕事が長く続かない人が多いって聞くけど、長く続いている人はどんな仕事の選び方をしているのかな?
楽しくなくていい
楽しめる仕事を探すのではなく、嫌なことが少ない仕事を探しましょう。
仕事を楽しめるに越したことはありません。
しかし、純粋に楽しんで仕事が出来てる人は極僅かです。
実際に、転職に関わるサービスや事業は年々増えています。
心から楽しめる仕事を見つけるのは、子供の頃からの夢をかなえるようなものです。
楽しさを求めて多くの刺激を許容するよりも、ゆるく働ける環境を探すことをおすすめします。
人生の優先事項を洗い出す
あなたの人生において大切な事柄を洗い出し、順位づけしてみましょう。
例えば筆者の私の考えを例に挙げます。
- 家族との時間
- 自分の趣味の時間
- ストレスの少ない職場環境
- お金
ここから分かることは
「家族や自分の時間の確保が最優先で、ストレスなくそこそこの稼ぎがあれば仕事にやりがいなどは求めていない」
という自分の理想とする生活の具体像が出来上がります。
この条件を満たせる仕事を選ぶことで、長く続けられる仕事になります。
避けたいことを洗い出す
「絶対に避けたいこと」「出来れば避けたいこと」と、避けたいことを洗い出し仕分けしてみましょう。
「絶対に避けたいこと」のリストに入ってることは問答無用で選ばないようにする。
「出来れば避けたいこと」のリストは、条件次第では飲み込む場合もある。
このように自分の嫌なことを見える化しておくことで、仕事選びの失敗を減らすことができます。
正社員にこだわらない
HSPは正社員雇用よりも、非正規雇用のほうが楽に働けます。
一方で、収入の問題や社会からの孤立感を感じるなどのデメリットがあるのも事実です。
収入面での問題は、副業と掛け合わせることで解決できる場合もあります。
さまざまな働き方をかけあわせ、柔軟な思考であなたにとっての最適を考えてみましょう。
HSPが正社員以外で働く方法
正社員以外での働き方も考えてみようかな。
具体的にはどんな方法があるんだろう?
特にHSPにはフリーランスがおすすめです!
派遣社員
派遣社員の特徴
- 主に時給、日給で給与が計算される
- 同じ職場では最大3年間までしか働けない
- 責任の大きい仕事は少ない
- 事務やデータ入力など、HSPと相性の良い仕事は多い
契約社員
契約社員の特徴
- 主に月給、日給で給与が計算される
- 契約期間毎に契約更新がある(更新されない場合がある)
- 比較的責任のある仕事も任されやすい
パート・アルバイト
パート・アルバイトの特徴
- 主に時給で給与が計算される
- 責任のある仕事はほとんど任されない
- 時間や急な休みなどの融通がききやすい
- 経営状況などでシフトの影響をもっとも受けやすい
フリーランス
フリーランスの特徴
- 収入は自分の頑張り次第
- 副業にも出来る
- 何をするかは自分で自由に選べる
- 収益化までには時間や知識が必要
副業で選択肢を増やす
副業で一定の稼ぎを得られるようになると、選択肢が大きく広がります。
例えば以下のようなパターンがあります。
- 非正規雇用と合わせて、精神的負荷を減らす
- 正社員と合わせて、金銭的余裕を作る
- 副業を本業にし、フリーランスとして独立を目指せる
自分ひとりの力で稼ぎを作るのは当然簡単なことではないですし、それ相応の労力も、時間もかかります。
しかし、それによって得られる選択肢は魅力的なものばかりです。
副業で収益化を目指す価値は十分にあるでしょう。
HSPの転職には転職エージェントがおすすめ
正社員での転職を目指すなら、転職エージェントの利用をおすすめします。
理由は以下の通り。
- 条件にあった募集をピックアップしてもらえる
- 悩みを相談できる
- ひとりではないという安心感を得られる
- 適職診断ができる場合がある
転職エージェントは無料で利用できる転職サービスです。
自分専門の担当エージェントがつき、さまざまなアドバイスを受けながら二人三脚で転職活動をしていくことになります。
求職者側は無料で利用でき、採用企業が成果報酬を支払うシステムになっているので、無料でも安心して利用することが出来ます。
細かな希望をしっかりと伝えることで的確にアドバイスをもらえるので、条件が多くなりがちなHSPにおすすめのサービスです。
HSPが退職する前にやること
まずは退職するためのスケジュールを立てましょう。
- 預貯金はどのくらいあるのか
- 毎月の支出はいくらか
- 在職中に転職活動ができるか
- 退職後から転職活動をする場合、猶予期間がどのくらい持てるのか
これらのことを整理し、在職中にできることは確実に実行しておきましょう。
スケジュール感を持たず勢いで退職をしてしまうと、生活が破綻してしまう可能性もあるので十分に注意してください。
HSPの退職については以下の記事に詳しくまとめています。
まとめ
HSPは正社員でも環境次第で快適に働くことができます。
HSPが快適な環境を作る方法は以下の通り。
- ひとつづつ片付ける
- 自分の近くに植物を置く
- 人の仕事はやらない
- 環境整備をお願いする
- 人に頼る
- 失敗しても責めない
- 自己肯定感を上げる
- 副業を始める
- 通勤を快適にする
今の環境で改善が望めなければ、正社員以外にも視野を広げて転職を検討しましょう。
長く働ける仕事を見つけるコツは以下の通り。
- 「楽しい」より「嫌じゃない」を優先する
- 人生の優先事項を整理する
- 避けたいことをリスト化する
働き方の多様化が進む現代では、人の目を気にせず自分らしい働き方がしやすい時代になりました。
あなたもぜひ、自分らしく働ける環境探しを始めてみてはいかがでしょうか。