今の仕事が辛いのはHSPだから?それともただの甘えなんだろうか……
HSPに向いていない仕事を避けて、のびのびと生きていきたい!
こんにちは。
HSP×Webライターの池田洋平です。
自身も内向型HSPの特性を持ち、その特性から来るストレスにより3度の転職を経験しました。
この記事ではHSPが向いていない仕事や特徴、ストレスとの向き合い方について解説していきます。
HSPの向き不向きとその根拠を知ることで、より良い仕事との付き合い方を知ることができるでしょう。
目次
HSPに向いていない仕事の特徴
HSPの特性は社会人にとって悪いことばかりではありません。
しかし、その特性がよくない方向に作用してしまう仕事があるのも事実です。
ここではHSPが向いていない仕事の特徴と、その根拠について解説していきます。
HSPに向いていない仕事の特徴は以下の通り。
- 他者との関わりが多い仕事
- 相手ペースでする仕事
- ノルマや具体的な数値目標がある仕事
- スピード感が求められる仕事
それぞれについて解説していきます。
他者との関わりが多い仕事
HSPは非HSPに比べ、小さな変化を敏感に察知する特性があります。
例えば、同僚や上司のちょっとした表情の変化や言葉の発し方などで
「いつもとなにか違う……」「怒っているんだろうか……」
と、勘ぐってしまうことがありませんか?
また、心の境界線が薄いと言われるHSPは、他人の感情をもらってしまうことがしばしばあります。
近くで上司から怒られている同僚などがいると、自分も怒られているような感覚になってしまったことがありませんか?
関わる人間が多ければ多いほど、この機会に接することが増え、心が疲弊してしまう原因になります。
相手ペースでする仕事
HSPはイレギュラーが苦手とされています。
相手のペースを最優先にしなければならない仕事はイレギュラーの連続です。
飲食店を例に上げて考えてみます。
- いつお客様が来るか
- どのタイミングでどんな注文が来るか
これらを先読みすることは難しく、しかし迅速に応えていく必要があります。
飲食店に限らず、お客様主導のサービス業全般に同じことが言えるでしょう。
ノルマや具体的な数値目標がある仕事
HSPはノルマや数値目標がある仕事は苦手と言えます。
社会におけるノルマというのは主に「何かを売る」ということ。
他者との心の境界線が薄いといわれるHSPは、自分と相手の感情や思考が混ざり合ってしまうことがしばしばあります。
良く言えば「相手のことを思いやれる特性」と言えますが、考えすぎてしまうことが問題です。
真に自分がオススメできる商品ではないと、このような考えが浮かんできます。
- 買ったあとに後悔してしまわないだろうか……
- クレームになってしまわないだろうか……
こういった思考がセールスを行う上で障害となってしまい、目標達成することが難しくなってしまいます。
スピード重視な仕事
HSPは問題点を見つけることが得意です。
仕事をしていく上で大変重要なスキルではありますが、問題を「見つけすぎてしまう」ことで、この特性が障害になってしまうこともあります。
スピード重視な仕事では「やりながら改善していく」ことが求められます。
しかし、沢山の問題点が見えてしまっているHSPはこれを無視することができません。
少しでも問題を解決してから進めていこうとしてしまい、結果的に時間がかかってしまいます。
あなたはなにか新しいことを始めるときに、以下のようなことを考えていませんか?
①新しいプロジェクトの大枠を作る
②問題点が見える
③起こり得る問題の対処方法を事前に考える
④潰しきれなかった問題は、その問題が起こらないやり方に変更する
以下③と④を繰り返す……
このような過程を踏むことで、トラブルの少ない仕事をすることができますが、完成までに時間がかかってしまいます。
HSPに向いていない職種
HSPには不向きな仕事の特徴とその根拠を解説してきました。
ここでは具体的な職種の例をご紹介します。
- 飲食店
- 営業職
- コールセンター
- サービス業
それぞれについて解説していきます。
飲食店
先の項目でも解説した通り、飲食店はイレギュラーの連続です。
また、スタッフやお客様など人との関わりも大変多い職種と言えます。
●該当する項目●
- 他者との関わりが多い
- 相手ペースでする仕事
- ノルマが厳しい(役職により)
- スピード重視
HSPと飲食店の相性については以下の記事にも詳しくまとめています。
営業職
営業職は「なにかを売る」ことに特化した職種です。
厳しいノルマや数値目標の他、顧客との密なコミュニケーションも必要となってきます。
●該当する項目●
- 他者との関わりが多い
- ノルマが厳しい
コールセンター
コールセンターは「顧客とのコミュニケーション」に特化した職種です。
クレームやお叱りをうけることも多く、心の境界線が薄いHSPには不向きと言えます。
●該当する項目●
- 他者との関わりが多い
- 相手ペースでする仕事
- ノルマが厳しい(業種により)
サービス業
サービス業とはその名のとおりサービスを提供する仕事です。
サービスを提供するということは「お客様主導」で仕事をしていくということ。
これまで解説してきた多くの項目があてはまります。
●該当する項目●
- 他者との関わりが多い
- 相手ペースでする仕事
- スピード重視
HSPと接客業の相性については以下の記事にも詳しくまとめています。
HSPに向いている仕事の特徴
ここまでHSPとは相性の悪い仕事を解説してきました。
それでは逆に、HSPが働きやすい環境とはどのようなものでしょうか?
HSPに向いている仕事の特徴は以下のとおりです。
向いている仕事の特徴 | 理由 |
自己完結型の仕事 | 他者とのコミュニケーションを必要としない |
ルーティーンが多い仕事 | 考えすぎる特性を抑えられる |
ノマドワーク | 集中しやすい環境を選べる |
フリーランス(個人事業主) | ストレスを避けた仕事を選べる |
IT、Web関連 | 他者とのコミュニケーションが少ない |
精密さを求められる仕事 | 問題点の発見能力が有効に作用 |
自分のペースで進められる仕事 | 心の余裕を確保できる |
HSPに向いている職種
それではHSPが能力を発揮できる、具体的な職種について解説していきましょう。
- Webライター
- 動画編集者
- 経理
- 社労士
- 会計士
- 司法書士、行政書士
- プログラマー
- イラストレーター
- Webデザイナー
- データ入力
- 工場のライン作業
Webライター、動画編集者
ほぼ全ての工程が自己完結できる仕事です。
最低限のクライアントとのコミュニケーションは発生しますが、そのほとんどがメールやチャットなどのテキストのみで行われます。
納期さえ守ることができれば、働く時間や場所も自由です。
●該当する項目●
- 自己完結型の仕事
- ノマドワーク
- フリーランス(個人事業主)
- IT、Web関連
- 自分のペースで進められる仕事
経理
Webライターに比べ、やや他者とのコミュニケーションが必要とはなりますが、経理も自己完結型の仕事と言えるでしょう。
ミスの許されない精密さの求められる業務内容も、HSPに向いている理由のひとつです。
ただし、採用の際に相応の経験や資格を求められる点には注意しましょう。
●該当する項目●
- 自己完結型の仕事
- ルーティーンが多い仕事
- 精密さを求められる仕事
- 自分のペースで進められる仕事
社労士、会計士、司法書士、行政書士
自己完結できる業務が多く、精密さがもっとも重要視される仕事です。
HSPとは相性が良い反面、資格の取得が高難度である点には注意が必要です。
●該当する項目●
- 自己完結型の仕事
- ルーティーンが多い仕事
- 精密さを求められる仕事
- 自分のペースで進められる仕事
プログラマー、イラストレーター、Webデザイナー
自己完結型で精密さが求められる仕事です。
スキルの習得までには一定の時間が必要となり、勉強のための投資が必要になる場合もあります。
●該当する項目●
- 自己完結型の仕事
- IT、Web関連
- 精密さを求められる仕事
- 自分のペースで進められる仕事
詳しくは以下の記事からどうぞ
データ入力
自己完結型で精密さが求められる仕事です。
多くのスキルが必要とされないため参入者が多く、高額な報酬は望めません。
副業程度に考えておくのが無難です。
●該当する項目●
- 自己完結型の仕事
- ルーティーンが多い仕事
- ノマドワーク
- フリーランス(個人事業主)
- IT、Web関連
- 精密さを求められる仕事
- 自分のペースで進められる仕事
工場のライン作業
ルーティーン作業が多く、精密さが求められる仕事です。
考えすぎてしまう特性があるHSPには、考える作業の少ないルーティーン作業は向いていると言えます。
●該当する項目●
- ルーティーンが多い仕事
- 精密さを求められる仕事
HSPのストレス軽減術
HSPの向き不向きは分かったのだけども、今の仕事を続けながらストレスを軽減していく方法はないかな?
しかし転職をするというのは簡単な決断ではないですよね。
ここでは今の仕事を続けながらストレスを軽減する方法をご紹介します!
信頼できる相談相手を見つける
HSPは悩みや考え事を始めると、考えが深い階層まで掘り下げられ、思考の渦に飲み込まれてしまいます。
相談相手を見つけ、口に出して相談することで以下の効果が期待できます。
- 自分の思考が整理される
- 客観的な意見を聞ける
自分の考えに共感してもらうことができれば、心が軽くなるでしょう。
合わない人とは距離をとる
HSPは八方美人が多いです。
これはHSP特有の繊細な感覚が、「相手の求める自分像」を敏感に察知してしまい、その期待に応えようとしてしまうからと考えられます。
しかし、自分らしさを抑え続ける関係はストレスになってしまいます。
次第にそんな自分に疲れてしまい、人と距離をとっていった経験があなたにもあるのではないでしょうか?
無理に相手に合わせようとせず、合わない人とは一定の距離を保つことがストレス軽減に繋がります。
なんでも自分の責任にしない
成績が上がらないときやミスをしてしまったときに、全て自分の責任だと思っていませんか?
しかし、どんな人でも失敗することはありますし、そもそも達成困難な課題であることだってあります。
自分の中でベストを尽くした結果が期待されたものでは無かったときは、ときに「責任転嫁」をすることも、心の健康のためには必要です。
無理せず休む
当たり前のことですが、「疲れたら休む」ということは重要です。
自己評価が低く、責任感の強いHSPは休むことに抵抗を感じてしまいます。
しかし、心が疲弊した状態では頭の回転も悪くなり、かえって仕事が非効率となってしまうこともあるでしょう。
休むことでより良い仕事ができると割り切ることは重要です。
HSP関連の本を読む
HSPは昨今世間に広く認知されており、それに関わる書籍も多く出版されています。
HSPのあるあるや、困ったときの対処法などを知ることで、自分の特性と上手に向き合っていくことができるでしょう。
読書をするという行為自体にも、ストレス発散の効果が期待できます。
「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本 [ 武田 友紀 ] 価格:1324円 |
SNSでHSP同士の交流をする
InstagramやX(旧Twitter)など、各SNSにはHSPを公表しているアカウントが多数あります。
そういった方々との交流を持つことは自分の気持ちに共感を得られたり、自分でも気がついていなかった特性に気付かされたり、様々な情報を得ることができるでしょう。
なにより、自分ひとりではないという安心感が心を勇気づけてくれます。
自分の市場価値を知る
沢山のことを試してきたけれど、それでもやっぱり今の仕事は辛い……
そんなときは転職を視野にいれた活動がオススメです。
その中のひとつに「自分の市場価値を知る」というものがあります。
これは噛み砕いて説明すると、自分はどんな条件で雇ってもらえるのかを知るということです。
具体的な方法は以下の通りです。
- 求人誌を調べて面接に行く
- ハローワークを利用する
- 転職エージェントを利用する
中でも転職エージェントは特にオススメです。
自分の経歴やスキル、希望を伝えることで、自分にあった求人を提案してもらうことができます。
さらに、多くの転職エージェントサービスは無料で利用できることも強みです。
ストレスを抱えながらも今の仕事を辞めない理由は、多くの場合生活の不安ですよね。
よい企業との出会いがあれば本当に転職してしまってもいいですし、「自分は他にも働ける場所がある!」という自信を持つことで、多くのストレスを緩和する効果も期待できます。
手に職をつける
転職を視野に入れた活動のもうひとつは「手に職をつけること」です。
前項の「自分の市場価値を知る」と同様に、いつでも他の仕事ができるという自信は仕事におけるストレスを大きく改善してくれます。
具体的には資格の取得がオススメです。
どんな資格を取得するかは、前項で紹介した「HSPに向いている職種」を参考にすると良いでしょう。
以下は資格取得の際に助けになるオススメのサービスです。
サービス名 | 特徴 |
ユーキャン | ・業界最大手 ・スマホで利用できる動画講義などのデジタルツールが利用できる。 ・スキマ時間の活用がしやすい |
ヒューマンアカデミー | ・250以上の講座を用意。 ・質問回数無制限でサポート体制が充実 |
フォーサイト | ・フルカラー、イラスト豊富な教材で勉強がしやすい。 ・相場に比べ安価。 |
資格の大栄 | ・HSPと相性の良い講座が豊富 ・個人に合わせた挫折しない環境を用意 |
HSPにおすすめの資格は以下の記事に詳しくまとめています。
究極的にはフリーランスが最強
HSPがのびのびと生きていく一番の方法は、フリーランスになることでしょう。
人間関係にストレスを抱える人は自己完結型の仕事をすればいいですし、雑音などの環境にストレスを感じる人はノマドワークを選ぶこともできます。
もちろんフリーランスで生活していくことは簡単なことではありませんし、相応のリスクもあるでしょう。
しかし、リスクを負ってでも目指す価値は十分にあります。
フリーランスで仕事をしていく上でのメリット・デメリットを以下にまとめました。
メリット
- ひとりで仕事ができる(人を雇うことも自由)
- 顧客を選べる
- 好きな仕事が選べる
- 苦手なことを回避できる
デメリット
- 収入が安定しない
- 人を雇わなければ大きく稼ぐことは難しい
- スキル、知識の習得に時間が必要
- 開業するまでに投資が必要
これまで解説してきたHSPの向き不向きと、自分のスキルや興味を組み合わせれば、自分が何を目指していけばいいのかが導き出せるでしょう。
HSPに独立をおすすめする理由は以下の記事に詳しくまとめています。
Webライターは未経験からでもオススメ
フリーランスが良いのは分かったんだけど、何の仕事を選べばいいのか分からない……
そんな方にはWebライターをオススメします。
理由は以下の通りです。
- 初期投資が少ない
- 副業から始められるのでリスクが低い
- スキル習得までの期間が短い
Webライターの教材は、インターネット上に無料で閲覧できるものが多く存在します。
スクールや通信講座を利用する場合でも、その他の資格に比べ安価で習得までの期間が短いというのも魅力です。
ヒューマンアカデミー通信講座
資格名 費用 標準学習期間 WEBライティング実務士 ¥32,000 6ヶ月 社労士 ¥200,600 12ヶ月 行政書士 ¥221,500 6ヶ月
また、仕事のペースも自分で調整可能なので、自信がつくまでゆっくりと、自分のペースで副業として続けていくことができます。
Webライターの始め方は以下の記事で詳しく解説しています。
HSPの仕事あるある
ここではHSPの仕事あるあるをご紹介します。
「自分だけじゃなかった」を見つけることで心が軽くなることもあるでしょう。
ミスを引きづる
HSPはミスをしてしまったときにズルズルと引きづってしまう人が多いです。
「もっとああしておけばよかった……」
「失敗の原因はここだったかな……」
「いやいや、そもそもこれ以前からこういうところがダメだったよな……」
こんな脳内反省会を繰り広げてしまい、次の仕事への切り替えができないこともしばしば。
周囲の雑音で集中できない
同僚の話し声、キーボードのタイピング音、近隣の工事音など、五感が繊細なHSPには集中を妨げる雑音が周囲にたくさんあります。
集中が続かず仕事が遅れてしまい残業する羽目に……
こんな経験がある方もいるでしょう。
同僚や上司の機嫌が気になる
「今日のおはようの言い方いつもよりトゲがあるな……」
「最近自分との会話が減った気がするけど、なにか気に障ることしたかな……」
ちょっとした変化にもよく気がついてしまうHSPならではの悩みですね。
常に人の顔色を伺うようになってしまい、人間関係が面倒になってしまいます。
ひとりで休憩したい
人に気を使いすぎるHSPはひとりの時間が大切。
しかし、ランチに誘われて断りきれずせっかくの休憩時間で余計消耗してしまうなんてこともありますよね。
問題点を見つけすぎて前に進めない
問題点や心配事を見つけるのが得意なHSP。
トラブルの少ない仕事ができる反面、対処方法を考えすぎて前に進まなくなってしまいます。
人に仕事を頼めない
HSPは頼み事が苦手です。
「面倒だな」「やりたくないな」
相手のこのような負の感情を敏感に察知してしまうからです。
この経験の積み重ねが、仕事を頼む際の障害になってしまいます。
仕事を断れない
仕事を頼めない理由と同様に、断った際の負の感情を敏感に察知してしまいます。
これを繰り返した結果なんでもやってくれる便利な人になってしまい、業務過多に陥る…なんてことにもなってしまいます。
人材教育が苦手
こちらも同様に相手の感情を敏感に察知しすぎることが障害となっています。
教育というのはミスを指摘することや、ときには叱ることも必要です。
「叱ったあとの相手の感情を想像してしまい、言いたいことが言えなくなる……」
こういった時には、顔の見えないメールやチャットなどを利用して伝えることも検討しましょう。
【まとめ】HSPに向いてない仕事
HSPに向いていない仕事、向いている仕事は以下の通りです。
向いていない仕事 | 向いている仕事 |
・他者との関わりが多い仕事 ・相手ペースでする仕事 ・ノルマや具体的な数値目標がある仕事 ・スピード感が求められる仕事 | ・自己完結型の仕事 ・ルーティーンが多い仕事 ・ノマドワーク ・フリーランス ・IT、Web関連 ・精密さを求められる仕事 ・自分のペースで進められる仕事 |
「自分の市場価値を知る」「手に職をつける」を始めとしたストレス軽減術を駆使しながら、実際に転職することも視野にいれましょう。
フリーランスとなり、自分の特性やスキルにあった仕事を選んでいくことがもっともオススメです。
同じHSPといえど、その特性や強さは人それぞれ。
この記事を参考に、自分にあった仕事を探してみてはいかがでしょうか。